スーパースター


音楽はその時の情景や 時にはその時の思いまでも蘇らせてしまうから不思議な力を秘めた芸術だなと思う

東京事変のスーパースターを聴くと高校時代に好きだった人を思い出します

2012年の春 同じクラスだった彼に当時の私は一目惚れってやつをしてしまったわけだけどウブすぎてまともに話すことなんて出来なかった

その彼の好きなアーティストが東京事変ってのを知ってから私は東京事変を片っ端から聴くようになりまして東京事変椎名林檎が大好きなったわけで今でも大好きなわけです

高校時代に好きだった彼は自ら目立つタイプでは無かったけれど綺麗な顔立ちで女子からはモテモテだった
席が二つ前だったので授業中に時々眺められるのと部活動に励む姿を見ることが出来るだけで私は充分だった
クラスが離れてしまってからは 廊下で見かけることが出来るだけでその日1日が幸せでした

彼の好きな女の子は綺麗なロングストレートヘアで背が高くて細くてスタイルが良くて美人だけど笑うと八重歯が可愛かった
私がその女の子に敵うものなんて何もなかった
私は彼がその女の子を好きでも構わなかったし むしろその女の子に想いを寄せている彼の姿をずっと見ていたかった

片想いが完成形の恋だった
密かに好きでいさせてくれれば何も要らなかった
そんな感じだったし当時は付き合うだとか性行為とは無縁の生活をしていてとにかく純粋で重かった

東京事変のスーパースターは私にとって 誰にでもあるような甘酸っぱかったりほろ苦かったりする思い出が思い出される一曲で
きっともうあんな恋なんて出来ないだろうしだからこそ強く焼き付けられた記憶なんだろうけれども
あの頃の気持ちに戻ってみたいなと最近よく思う
何かを手にしてしまうとやっぱり不満ばかりになってしまう
あの頃のような一途な想いをもう一度感じたいです

こんなことをもしその彼に知られたら非常に気持ち悪がられるんだろうけれど もう会うこともないだろうし連絡先も知らないので今更迷惑がかかることはないと思います

なんてのを考えながらスーパースターの4分29秒に浸っていた帰り道でした